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2022年度 高校入試解答解説

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2022年度入試解答解説

国語

出題形式と配点

大問 出題内容 漢字/語句
【配点】
文法
【配点】
読解
【配点】
記述(40字以上)
【配点】
合計
【配点】
1 論説文 1問 6点 1問 2点 4問 19点 1問 8点 7問 35点
2 表現 1問 2点 4問 10点 5問 12点
3 漢字 1問 6点 1問 6点
4 古典 1問 2点 4問 18点 5問 20点
5 小説文 1問 4点 1問 3点 3問 14点 1問 6点 6問 27点
合計 4問 18点 3問 7点 14問 61点 2問 14点 24問 100点

問題の傾向と内容

大問数は例年通りの5問となっています。大問2で配点が少なくなり、その分が大問4で増える形となりました。また、昨年は40字以上の記述問題が4問だったのに対し、今年は2問と減りました。一昨年までの問題傾向といえます。
しかし大問1、2に、本文中の言葉を使い指定の字数でまとめる記述問題が出題され、要点をまとめ、さらにそれを表現する力が求められています。文字数に関わらず、様々な記述問題に日ごろから積極的に取り組み、力を付けておくことが大切です。

【大問1】論説文
内容は、言葉による表現の限界と可能性についてでした。異なる2つの文章を読ませるものではなく、1つの文章からの出題となっています。空欄補充の抜き出しに加え、段落構成に着目した問題が2題出題されました。段落と段落の関係、話題で段落を大まかに分けることができるかなど、普段から文章を論理的に読めているかが大切です。また、記述問題は2つあり、1つは、25字以上30字以内で本文中の言葉を使い、本文の内容をより分かりやすく補足する文章を考えるものです。こちらは、接続語と指示語に気を付けて読み取りをすることで、まとめる内容を見つけることができます。もう1つは、80字以上100字以内と昨年より長くなり、一昨年と同じ長さになりました。最終段落の内容を掴んだ上で、あたえられた条件に沿って、言葉の限界と可能性について本文に使われていない例を用いて説明する問題です。
試験の限られた時間の中で、他の例がなかなか思い浮かばず焦ってしまうと、記述をまとめるのに時間がかかってしまうかもしれません。説明文では、必ず何かを説明するために分かりやすいよう例が示されます。そのような例が、本文中だけでなく、身近にないかというのを普段から考える癖をつけ、より深く文章を理解するように心がけていきましょう。また、過去5年間分の長野県の過去問演習を繰り返し行って長めの記述に慣れることや、時間を決めて限られた時間の中で問題を解く練習をすることで対応力を高めていきましょう。
【大問2】表現
職場体験学習に関するオンラインでの事前打ち合わせとその後のタブレットでの検索を用いた話し合いという2つの会話文からの問題となりました。発言の対話の中での役割、発言の意図などの会話文の読解において基本的な問題が出題されました。
また、大問1に引き続き、25字以上30字以内で、職場体験学習先の施設の目標を分かりやすく本文の言葉を用いてまとめさせる問題が出題されました。こちらは、問題文のタブレットで検索した意味を参考にして、という部分を読み落とさずにまとめられれば正解できる問題です。設問をよく読み、求められている解答を確実に導けるようになりましょう。
【大問3】漢字
誤って使われている漢字を探し、同じ読みの漢字で正す問題です。出題の仕方は昨年と変わりませんでした。漢字の意味や言葉の意味にも着目し、同音異字、同訓異字について普段から力を入れて学習しておきましょう。
【大問4】古典
今年は漢文の出題はなく、新編日本古典文学全集から古文が出題されました。例年通り、現代仮名遣いが出題されています。基本的な古典の文法や知識はしっかりと復習しておきましょう。難易度としては、比較的時間をかけず解いていける平易な問題といえます。ただし最終問題のみ、グループで古文に対する感想を出し合った様子の内容を理解した上で、本文中の登場人物の台詞の補足を自分で考える記述問題が出題されています。
このような問題の対策として、動作主をしっかり押さえながら、場面ごとに内容を理解していくことが上げられます。古文では、主語や台詞の一部などが省略され、どうしても読みづらく感じてしまうと思いますが、今回のように読み解くヒントが与えられている場合は、そちらの文章にもしっかり目を通し、省略された内容を推測しながら、読解を進めていきましょう。
【大問5】小説文
放送部の高校生と閉店してしまったパン屋で働いていた女性の会話を中心とした物語でした。今年は表現技法の問題が出題されました。倒置と体言止めの違いなど、間違えやすい表現技法を区別しておきましょう。空欄補充の抜き出しの問題は、空欄前後の内容をよく理解できていれば、そこまで悩むことなく解くことができます。最終問題の60字以上70字以内の記述問題は、本文の最初から最後までの話の展開をとらえ、3つの指定語句を指定された順番で使ってまとめさせる問題でした。指定語句は、どれも本文中には出てこず、本文の内容とうまく合致させて記述をまとめる力が必要です。他の問題を手早く済ませ、集中して記述をまとめる時間をとりたい問題となっています。
今回は、高校生が何を決意したのか、誰に励まされ、どんな責任と使命を感じたのかという流れでまとめると指定字数以内でうまくまとめることができると思います。誰が、誰に、どんななどの5W1Hに気を付けて、物語文を読んでいきましょう。また、普段から、出題された物語の大まかなあらすじをとらえるようにすることが大切です。

数学

出題形式と配点

大問 出題内容 基本
【配点】
記述・作図
【配点】
応用
【配点】
合計
【配点】
1 基本計算・図形(求角・長さ)・資料の整理 11問 33点 1問 3点 12問 36点
2 空間図形・標本調査・方程式 2問 4点 2問 6点 4問 10点 8問 20点
3 いろいろな関数・二次関数 2問 6点 1問 3点 5問 13点 8問 22点
4 平面図形 2問 6点 1問 4点 5問 12点 8問 22点
合計 17問 49点 5問 16点 11問 35点 36問 100点

問題の傾向と内容

教科書改訂初年度の入試となりましたが、新単元からの出題は特にありませんでした。2023年度入試からは四分位数・箱ひげ図などが出題される可能性がありますので、対策が必要になっていきます。昨年度(令和3年度)と比較して、大きく問題数の増減はありませんでした。また、大問ごとの出題傾向や配点についても大きく変わりはなく、例年と変わらない傾向にありました。
基本的な知識を持って解ける問題については【基本問題】とし、今回は49点分の出題となりました。問1の基本計算や大問毎の確実に正解できる問題を見極めていければ、50点近く得点が取れる問題構成となっています。
本年で特筆すべき点は、大問2連立方程式の文章題・大問3二次関数・大問4平面図形の難化です。長野県入試過去問で十分に満足しているレベルだと、今回の問題では難しく感じたと思います。
あらためて、全国の入試過去問を事前にやりこんでおくことの重要さが際立った入試でありました。

【大問1】基本計算・図形・資料の整理
計算問題中心に出題されてきた問1ですが、傾向については変わりはありませんでした。配点も36点と昨年同様で、大問1はテストの3分の1の得点を占める大きな得点源であることがいえます。長野県入試を攻略する上では、確実に問題が取れるように徹底的に大問1を扱うようにしましょう。
今年の大問1は特殊な問題がなく、大きな得点源になった生徒が多いのではないでしょうか。
【大問2】空間図形・標本調査・方程式
昨年同様、3問テーマごとに出題されました。空間図形(昨年同様)、標本調査(初登場)そして最後に連立方程式(昨年同様)が出題。いずれも文章を読み取る力が必要となりました。昨年度まで資料の整理が頻出となっていましたが、近年ではなかなか出てこなかった標本調査が出てきました。しかし、空間図形・標本調査とそこまで難しい問題ではなかったため、容易に解けた生徒が多くいたのではないでしょうか。
大きなヤマとなったのが連立方程式でした。2014年と2019年のごみ排出割合を比べる問題でしたが、割合を扱う問題であったため、苦手とする生徒は手ごたえのある問題であったのではないでしょうか。連立方程式は問題のパターンを多くことで解法の引き出しが増えていきます。問題がわからないときは悩む必要もありますが、まずは解説を読み解くことからスタートし、式が持つ意味を理解するようにして勉強していきましょう。
【大問3】いろいろな関数・二次関数
例年通り、関数からの出題となりました。ただしⅠでは中学3年範囲の「いろいろな関数」が、Ⅱでは二次関数からの出題となりました。
関数の問題は近年の出題傾向である「日常生活から数学を考える」というテーマが色濃く反映されていました。Ⅰでは荷物を送る際の料金の計算について出題されました。いろいろな関数自体はそこまで難易度が高くなりにくい点もあり、得点しやすかったのではないでしょうか。
Ⅱでは長野県で久しぶりに「三角形と関数」が出題されました。比較的得点しにくい「線分の比」を扱いながら問題を解く必要があったため、難易度が高い問題であったといえます。
今後、関数については長野県過去問だけでなく、幅広く関数の問題パターンを解く必要があると思わせるような出題であったといえます。
【大問4】平面図形
例年通り、平面図形に関する出題となりました。Ⅰでは相似の証明を中心にした問題、Ⅱでは図形に関する複合的な知識で問題を解く、いわゆる難問にあたります。
長野県では図形の最終問題は正答率の低い問題を出題する傾向にあります。大問3までかなり時間を使うため、最後までたどり着けなかった生徒も多いと思います。特にⅠでは確実に正解できる問題が出題されていましたので、これから受験を迎えるみなさんは必ず解けるようにしておきましょう。
また、入試過去問を扱うときは時間を50分しっかり測って解くようにしましょう。数学では取れる問題を先に解き、得点を確保していく必要があります。時間の使い方も重要なテクニックの一つだと考えましょう。

英語

出題形式と配点

大問 出題内容 記号
【配点】
記述
【配点】
合計
【配点】
1 リスニング 9問 20点 9問 20点
2 小問・英作文 5問 15点 5問 15点 10問 30点
3 長文読解 7問 21点 1問 2点 8問 23点
4 複合読解 6問 15点 3問 12点 9問 27点
合計 27問 71点 9問 29点 36問 100点

問題の傾向と内容

昨年と同様4つの大問で構成されていました。各大問別にみると、【問1】リスニング、【問2】小問・英作文、【問3】長文読解、【問4】発表とそれに関するコメントの複合読解という形式で、記号で答える問題が71点分、記述が29点分でした。記号問題の配点が7割を占め、記述問題の数は減りましたが、難易度に大きな変化はありません。
ただ、今年から初めて「20語以上の英作文」が出題されました。配点も8点と一番高いため、トップ校を狙う生徒さんは落としたくない問題です。単語・文法知識は教科書レベルのものを身に着けていれば十分ですが、文章量は決して少なくありません。また今年は新出単元である『現在完了進行形』『原形不定詞』『仮定法』は出題されませんでしたが、来年度以降出題される可能性があります。文法を復習し、長文を読む練習を早めに始める必要があるでしょう。

【大問1】リスニング
(1)は絵を見て答える問題です。そのうちNo.3では2人の会話を聞いた上で、正しい計画を選ぶ必要があります。(1)は問題が一度しか流れないので集中して聞き取りましょう。(2)のNo1とNo2は対話文を聞き、次の話者が答える内容(”What will ○○ say next?”)を求める問題です。No3は昨年は出ていないタイプの問題で、60語程度のアナウンスを聞き、内容を答える問題でした。事前に問題文に目を通し、内容を把握しておくと解きやすくなるでしょう。
(3)は発表内容に関する問題、ツアーの変更点を伝えるアナウンスに関する問題です。どちらも100語程度の英文を聞いて答えるので、あらかじめ問題文に目を通し、どのような問題がくるか予測することが必要です。普段から教科書を音読し、CDを活用するなどして、ネイティブの発音や抑揚に慣れておきましょう。
【大問2】小問・英作文
Ⅰ(1)は単語を記号で答える問題。①は正しい前置詞を選ぶものでしたが、”in” と ”into” を混同してしまった人も多いのではないでしょうか。前置詞は、イラストを用いてイメージしながら理解することをお勧めします。(2)は語形変化の問題ですが、不足している語がある可能性も考えなくてはいけません。基本的な文法はもちろんですが、文法問題の応用にも対応できるように演習を重ねましょう。
(3)は昨年から出題されるようになった、不足している語句を補い、英文を完成させる問題です。今回はウェビングマップ(アイデアマップ)を使用したものでしたが、近年ウェビングマップを利用した適語補充、英作文の問題が増えており、正答率は決して高くありません。しかし1,2年の文法内容から出題されているので、提出ノートや宿題を利用して、英文を書く練習を重ねることで対策をすることができます。Ⅱは、昨年同様に英文や資料を読んで、正しいものを選択する問題でした。文章を順に追っていけば解ける問題となっています。焦らずに落ち着いて取り組みましょう。
【大問3】長文読解(スピーチ原稿)
【本文要約】 2008年にイギリスの芸術家が、コミュニケーションツールの一つとして始めたのがストリートピアノでした。その取り組みは世界中に広がり、今では65の都市、20万人が楽しみ、2000以上のストリートピアノが存在しています。日本では、2011年の2月に九州新幹線開通を祝して、日本初のストリートピアノが鹿児島に設置されました。現在では約400台のストリートピアノが設置されています。そして2011年3月に起きた東日本大震災。ボランティアに来ていた芸術家が宮城県で壊れたピアノを見つけ、なんとか修理をしました。そして、そのピアノは宮城県の人々の心を癒したのです。ピアノはただの楽器ではなく、人々を繋げる道具となるのです。

世界中で広がっているストリートピアノに関するスピーチ原稿(400語程度)に関する問題が出題されました。指示語が指す具体的な内容を答える問題、自然な流れになるように英文を並び替える問題、原稿の内容に合うものを選ぶ問題など、内容読解を問われる問題が主体となっています。文法や単語を答える問題はほとんどありませんが、長文を読むためには文法や単語が必須になります。文法の復習と短い文章を読む練習を平行し、得点アップにつなげましょう。
【大問4】複合読解
【本文要約】 「物を大切にすること」をテーマに3人の生徒(美緒、春斗、悠真)が発表をしています。美緒は、リトルフリーライブラリーの取り組みを紹介します。リトルフリーライブラリーとは、自分が建てた鳥籠のような図書館を作り、誰でも自由に本を読める取り組みです。春斗は物を大切にする京都の人々の取り組みを紹介します。運動着をリサイクルに出したり、ネット上で、簡単に修理屋を見つける取り組みなど、物を長く使う工夫をしていることが分かります。そして、悠真は付喪神、そして祖父の紹介をしています。無駄遣いをしないことを伝える存在の付喪神、壊れたおもちゃを修理する祖父を通して、物を大切に使うことの大切さを訴えています。

各生徒の発表内容はそれぞれ200語程度です。発表内容に関して正しいものを選択する問題、発表に関係するスライドの内容を正しく選ぶ問題、発表内容に合わせて正しい順に絵を並べる問題など、内容読解を問われる問題が主体となっています。特に最後の問題は、3つの発表内容から出題されているため、それぞれの発表内容を正しく理解しなくてはいけません。また今年より、20語以上で書く英作文が出題されています。これまで「10語以上の英文」作成だったため、驚いた人も多かったと思います。後半の問題のため、時間が足りない可能性もあります。長文を早く読む練習をし、英作文を書く時間を捻出しましょう。

理科

出題形式と配点

大問 出題内容 記号選択
【配点】
語句・記述
【配点】
数字・計算
【配点】
合計
【配点】
1 生物 3問 7点 4問 13点 2問 5点 9問 25点
2 化学 2問 4点 5問 12点 3問 9点 10問 25点
3 地学 3問 8点 2問 5点 4問 12点 9問 25点
4 物理 2問 6点 1問 3点 6問 16点 9問 25点
合計 10問 25点 12問 33点 15問 42点 37問 100点

問題の傾向と内容

例年通り、生物・化学・地学・物理の各分野から均等に出題されました。
昨年と比較すると記号選択問題の数が減り、計算問題が増えています。また、記述の問題数が5問から8問に増え、難易度も上がりました。理科の計算問題、記述問題が苦手な人には難しい内容だったのではないでしょうか。試験問題全体を通して、昨年以上に「どのように調べたら良いか(対照実験/大問1、機材の設置/大問3)」や「実験から何がわかったのか」など、考察させる問題が多く出題されました。今まで以上に基礎知識の習得だけでは点数を取り切ることは難しかったと思います。普段から実験については「何を知ろうとしているのか」「なぜその操作を行っているのか」に着目して考える習慣をつけていくと良いでしょう。
SDGs関連の出題も見られました。昨年は1単元だけだったSDGs関連の出題が、今年は大問1のⅠ(下水処理に関する問題)、大問3のⅠ(地震検知に関する問題)、大問3のⅡ(太陽光パネルに関する問題)と3単元からの出題があり、非常に大きく取り扱われていることがうかがえます。普段から新聞やニュース番組に触れるなど、身の回りで起きていることや身の回りのものに興味関心を持って生活することが、入試の対策につながっていきます。「興味関心をどこに持ったらいいのかわからない」という中学1年生、2年生のみなさんは、まず教科書のコラムや資料集を読みこむことから始めてみると良いでしょう。

【大問1】生物分野
Ⅰでは下水処理における生物のはたらき(3年範囲)Ⅱでは蒸散の実験(2年範囲)が出題されました。語句、記述ともに難しい問題が多くみられました。
Ⅰは自然環境の単元からの出題で下水処理の中で微生物がどのように働いているかを考察する実験の問題でした。内容をよく読み理解できれば解答できる問題もありましたが、対照実験を考える問題や生物の名称を答える問題はやや難易度が高く、時間をかけずに解くためには普段から類題を解き、慣れておく必要がありました。Ⅱは植物の蒸散の実験が扱われました。出題された3問すべて計算が必要な問題ではありましたが、実験自体は珍しいものではなく、比較的得点しやすかったのではないでしょうか。ただし、判断の根拠を「簡潔に説明する」という問題は、Ⅰと同様、慣れていないと難しかったでしょう。
【大問2】化学分野
Ⅰは水とエタノールの分留(1年範囲)、Ⅱは炭酸水素ナトリウムの熱分解(2年範囲)についての出題でした。語句、記述の難易度は高くありませんでした。見慣れない書き方での計算問題が出題されていたものの、設問や実験は比較的定番のものが多かったので、理科が苦手な生徒さんは化学分野で得点する必要がありました。
Ⅰは水とエタノールを沸点の違いによって分留する問題でした。「蘭引」という聞きなれない道具や、密度と質量パーセント濃度のグラフというおそらくあまりなじみのないグラフの書き方ではありましたが、1問1問の内容はきちんと読めば解くことができます。Ⅱは2種類のベーキングパウダーを用いた炭酸水素ナトリウムの実験について答える問題でした。こちらは全体を通して目新しい出題の仕方はなく、比較的得点しやすい問題だったと思われます。
【大問3】地学分野
Ⅰは地震に関する問題(1年範囲)、Ⅱは太陽光パネルに関する問題(3年範囲)が出題されました。基本知識を問う問題が多く出題されていたため、地震検知システム、太陽光パネルといった大きなテーマに引っかからずに問題に取り組めれば解くことができたでしょう。
Ⅰは新幹線早期地震検知システムに関する問題でした。用語や選択肢については比較的答えやすい問題でしたが、日本列島付近に集まるプレートの数が4つであることを覚えきれていない人もいたかもしれません。また、地震計の設置台数のような、考えればわかるけれど知っていればはやく解ける、という問題も出題されています。Ⅱは太陽光パネルの設置角度に関する出題でした。こちらも比較的答えやすい問題ではありますが、南中高度の計算方法まで習熟するには時間が足りなかった、という人もいたのではないかと思われます。天体は中学3年生の2学期末~3学期で学習する単元なので、学習量が足りないまま受験当日を迎えてしまう場合があります。3年生の後半の単元は、可能な限り先取りの学習を行いたいところです。
【大問4】物理分野
Ⅰは浮力に関する実験問題(3年範囲)、Ⅱは電磁誘導に関する問題(2年範囲)が出題されました。物理分野は、内容、計算ともに複雑で難しい問題でした。
Ⅰは石釣船の仕組みにかかわる浮力に関する問題が出題されました。まず、石釣船、という言葉で躓いてしまった人も多かったのではないでしょうか。内容を理解するためには、浮力が水中の物体の体積の大きさで変化することをとらえる必要がありました。Ⅱは誘導電流によるスマートフォンの無接点充電について問う内容でしたが、まず実験内容を理解することが難しかったかもしれません。選択肢の問題は、交流とはどのようなものかがわかっていれば、選ぶことができたでしょう。計算問題についてはWh(ワット時)がW×時間で求められるものだということがわかれば解けたでしょう。1つ1つの言葉や単位への理解が求められた問題でもありました。

社会

出題形式と配点

大問 出題内容 語句記述
【配点】
選択・数字
【配点】
記述論述
【配点】
合計
【配点】
1 歴史分野 1問 2点 7問 20点 2問 6点 10問 28点
2 地理分野 4問 8点 6問 13点 5問 15点 15問 36点
3 公民分野 2問 5点 4問 10点 6問 21点 12問 36点
合計 7問 15点 17問 43点 13問 42点 37問 100点

問題の傾向と内容

今年は記述論述問題が4割にも及ぶ構成となりました。また、社会問題に関する配点が増え、日頃ニュースなどに触れている生徒さんは解答欄を埋めやすく、普段の情報の接し方によって、解きやすい生徒さんと、解きにくい生徒さんとに評価が分かれたかもしれません。
長野県では『資料の中身について一つずつ言及をしていく問題』の頻度が若干高い傾向が続いています。この傾向は今後も続いていくと思われます。この、資料を基にした記述問題の出題数が減ることは想定しにくいため、こういった問題への対応も繰り返しになりますが、問題の出題方針によって、ポイントを抜き出すのか、比較するのか、知識を問うているのか、など「どこをポイントとするのか」を見極めることが大事になってきます。資料問題の問われ方について、多くの出題に触れて、解くポイントを見定める訓練をする事が大事になってきていると言えます。
〇対策
記述論述問題が4割にも及ぶため、『資料を読み解いて記述を書かせる問題』に数多く触れていくことが重要になっていくのは、間違いないと思われます。そして、長野県の場合、資料のポイントを抜き出し、それをつなげていく問題が出される傾向があるため、資料の要点を抜き出す訓練をする事が肝要と思われます。是非、記述問題だからと言ってすぐあきらめることなく、解きやすい問題であればチャレンジしてほしいと思います。
社会全体の勉強法としては、以下の内容が大事になります。
①地理、歴史、公民ともに単元ごとに知識の再確認をし、演習で出す訓練をする
②問題文で使われている表現を把握し、資料の内容を短く言い表す訓練をする
③上2つの訓練を積んだ上で複数年度の過去問に触れ、問題と資料の配置が複雑でも慌てないようにする

また、皆さんの身の周りの問題をどのように解決すればよいのか?という、社会全体に目を向けさせる傾向は変わることはないと思われます。是非、身の回りのニュースや出来事に関心を持ち、お友達や周りの大人と話をしてみてください。

【大問1】歴史分野
◆テーマ=道路や交通の発達を題材にした、時代ごとの特徴
〇出題構成
昨年は問2だった歴史が問1に移動しました。昨年同様、語句記述問題の数は1問のみとなりました。選択・記述問題は7問で20点分と、昨年に比べ配点が10点ほど少なくなりました。複数選択問題は1問出題されています。記述問題の数・配点は昨年と比べ1問増え、6点となりました。そのため、大問1~3、それぞれ満遍なく記述の問題が配分されています。
〇問題構成
単語知識を問う問題は1問のままとなり、さらに今年は配点も3点から2点と低くなりました。選択問題では、正しい情報を選択させる問題がほとんどで、この構成自体は昨年と大きな変化は見られません。複数選択問題は1問出題されており【問1-(4)】、時代の並べ替え問題も例年通り、1問出題されています【問1-(10)】。複数資料を用いた問題は、1問出題されました【問1-(5)】。
地理・公民分野でも複数資料を用いた問題が出題されていますが、長野県の場合、『資料の中身について一つずつ言及をしていく問題』を出す傾向が続いています。大問全てにおいて資料を読み解く問題が増加していますが、問題の出題方針によって、ポイントを抜き出すのか、比較するのか、知識を問うているのか、など「どこをポイントとするのか」を見極めることが大事になってきます。資料問題の問われ方について、多くの出題に触れて、解くポイントを見定める訓練をする事が大事になってきていると言えます。
【大問2】地理分野
◆テーマ=関東地方の農業と人の動き(日本地理)とインドを題材にした問題(世界地理)
〇出題構成
今年は地理分野が問2に移動しました。語句記述問題の数は1問減り、配点は2点減少。選択・数字問題は昨年に比べ3問増え、点数は4点増加しました。(歴史の選択問題が減少した分、地理分野の選択問題が増加しています)。複数選択問題は1問出題されています。記述問題の数・配点は昨年と比べ大きな変化はありません。昨年に引き続き、歴史分野に比べ、地理分野は比較的記述問題が多く出題される傾向が続いています。
〇問題構成
今年度の地理でも昨年同様、複数の資料がちりばめられていますが、問1の問題構成でも指摘した通り、 『資料の中身について一つずつ言及をしていく問題』が2題、出題されています。【問2-Ⅰ-(3)-②】【問2-Ⅰ-(6)-②】。知識型の問題ではなく、資料一つ一つから読み取れる特徴を抜き出し、まとめていく。これが長野県の資料問題を解くカギとなりそうです。
また、昨年に比べ変化したと見受けられるのが、資料と問題の配置です。昨年は資料が固まって掲載されており、どこにどの資料があるのかを見やすかったのですが、今年は資料の配置が問題によって分散しており、資料と問題文のバランスに相当苦慮された様子がうかがえます。この『問題の情報量と見やすさ』の問題は、掲載資料が増えてくるとどうしても起こり得る事象です。見やすい配置となっているか、かなり詰めた配置となっているかは受けてみないと分かりません。そのため、受験生の皆さんは、なるべく過去の問題に早く、多く触れ、どのように問題や資料が配置されていても、慌てずに問題と資料を追っていく訓練が必要と考えます。
【大問3】公民分野(論述問題含む)
◆テーマ=地球環境問題を題材にした、国際社会と経済分野、SDGsに関する問題
〇出題構成
昨年に比べ、公民分野の点数は増加しました。これは、①昨年は、公民分野の知識問題が一部除かれ配点を少なくせざるを得なかった。②環境問題など受験生に興味を持ってほしい分野が公民に多かった、と考えられます。複数選択問題は1題、出題されていますが、問題のほとんどが資料の読み取りを基にした、記述問題で構成されています。
〇問題構成
昨年同様、問3に公民分野と論述問題が組み合わされて出題されました。ただ、出題構成でも記したように、公民の知識を問う問題はかなり少なくなっています。論述問題については 『資料の中身について一つずつ言及をしていく問題』に加えて、新学習指導要領を反映した『2つの資料を比較する』問題が1題出題されています【問3-Ⅰ-(3)-②】。公民の問題では、複数資料の情報の要点を一つずつまとめ、文章にしていく問題を通じて、受験生の皆さんに意識してほしい社会問題が取り上げられています。そのため、教科書の知識に限らず、ニュースなどを通じて、社会で話題になっている事柄へ興味関心を広げていくことが、入試対策として大事になると考えます。
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