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2025.08.04
ベルーフの教育コラム
【「納得いかないので」に見える成長】
彼が入塾したのは、信大附属松本中の受験を目指してのことでした。国語はとても得意で、自分の意見をしっかり伝えられる生徒でしたが、算数の小数や割合、単位量などの理解には苦戦しており、パターンで解ける問題はできても、少し応用が入るとつまずく状態でした。受験前までに何とか理解を深め、合格をつかみ取りましたが、中学に入ってから数学の壁に再び直面。課題もやらず、授業中に寝てしまうような日々が続きました。ご家庭と連携しながらできる限りのサポートを続けましたが、なかなか思うようにはいきませんでした。そんな彼が中学3年の夏、「松本深志高校に行きたい。でもこのままじゃ無理かもしれない」と話してくれた瞬間から、私たちの本当のサポートが始まったといえます。学校では手がつかない数学に、塾で真正面から向き合うことを決意。授業以外の時間も使って、彼に合ったペースで基礎からの学び直しを重ねました。
すると少しずつ問題が解けるようになり、彼の表情が変わってきました。「どうやれば解けるんですか?」「この考え方で合ってますか?」と、自ら問いかけるようになり、数学が好きになったわけではなかったですが、自分の可能性を信じる力が、確実に育っていました。
そして見事、松本深志高校合格。さらに3年後、東京の有名私立大学に合格。しかしその後、「納得いかないので浪人します」と、私たちに報告してきました。すると「納得いかないので」の想いを体現してくれ、なんと翌年、早稲田大学の文系5学部すべてに合格したのです。塾に顔を出してくれ、「8月までに過去問は終わらせたから」とさらりと言い放つ姿に、私たちは胸を打たれました。
人は誰しもつらい時期を経験します。そんな時、彼に寄り添い続けられたことを私たちは誇りに思います。そして、彼が帰り際にいったひと言「また、来ていいですか?」—。この言葉こそが、私たちがこの塾を続ける理由です。
※本欄では、ベルーフアカデミー、東進衛星予備校で学ぶ生徒たちの目標達成に向けた日々の頑張りや成長の様子などを紹介しています。