教育コラム
2026.02.09
ベルーフの教育コラム
【ベルーフという環境がもたらすもの】
大学浪人中のベルーフの卒塾生が校舎を訪ねてくれました。卒塾後も教室に顔を出してくれたり、受験の報告をしてくれたりする生徒は結構いますが、不合格の報告をしに来てくれたのはこの生徒だけです。彼の学年は模試ランキングで常に上位に入る生徒がたくさんおり、校内ランキングでもトップを常連が独占するのでなく回によって違う生徒の名前が載るくらい、高いレベルで切磋琢磨していました。彼もそんな生徒の中の一人で、校内ランキングのトップ5に入るような生徒でした。
国語を担当していた私のところに受験直前の1月ごろ、模試結果と学校テストの結果を持ってやってきて「国語の点数が安定しないんです。上がって下がってを繰り返していて、このままだと本番で下がります」と相談されたことがありました。勉強法以外にも、教科内容についての質問が多かった生徒。「なぜこの答えになるのか」「どう考えればいいのか」など、教科問わずいろいろな先生に質問していました。
彼が変わったのは、高校入学後とのこと。高校に入ってすっかり勉強をしなくなってしまったそうです。ベルーフにいた時は、周りの雰囲気もあって勉強していた(できていた)けれど、勉強をしなくなって、さらに学校のテストで点数が取れなくても気にならなくなって、気が付いた時にはもう手遅れだったと語ってくれました。
私の心に深く沈みこんだのは、「ベルーフにいたから勉強できていただけだった」という主旨の彼の言葉。私の目には“主体的な姿勢を持って”いるように見えた彼ですら、「ベルーフという環境」によってそう振舞えていただけだったと、その時に気付かされたのです。
私たちも、受験前は生徒と同じくらい必死ですから、一生懸命勉強してもらいます。勉強の姿勢に、計画に、やり方に口を出し、気がゆるんでいればおしりをたたいてたくさん手をかけます。宿題で困った問題はない?今日は何の勉強をするの?この前のテスト持ってきて一緒に見直ししようね、記述の添削をするから提出してね……。そうした言葉や働きかけによって、またそんな教室の雰囲気によって、自分の意思があいまいなままでも、勉強を続けられている生徒が今の教室にもいるかもしれません。
放っておいても勉強できる子どもはきっとひと握りでしょうから、こうした働きかけは確実に必要なことだと感じます。時に厳しく、時におだてたりもしながら、勉強というステージに生徒が立ち続けられるようにする。それが塾の先生の仕事の一つだと思います。しかしそれだけでいいのかと思わずにはいられません。
もちろん塾は生徒さん・保護者様に選んでもらう必要がありますから、「この塾があるから頑張れる」「先生がいるから続けられる」というのはありがたい言葉です。ベルーフに楽しく通ってもらうこと、ベルーフの授業で点数が取れて、志望校に合格できるようになってもらうこと。これらは何より大切にするべきことですし、普段生徒と関わっている時に一番に考えていることでもあります。
今年中にこれができるようになってほしい、中3になるまでにこういう力をつけてほしい、この分野が苦手だから強化したい、勉強習慣をつけてもらいたい……。そういうことを考える時、ここ数年は特に、私の頭の中には「高校受験」がまるでゴールのように、大きな姿をしてそびえたっていました。
ベルーフで過ごした時間を通して「よかった」と振り返ってもらえるのと同時に、その中で本当の意味で“自ら学ぶ”人を育てるために、学ぶことそのものの楽しさに気付いてもらうこと、目標や夢を思い描ける手助けをすること―。そうしたことを改めて考えなければと思わされました。
※本欄では、ベルーフアカデミー、東進衛星予備校で学ぶ生徒たちの目標達成に向けた日々の頑張りや成長の様子などを紹介しています。





